Scratch講座 第10回|じゃんけんゲーム全体の仕様書編(要件定義)

Scratch(スクラッチ)編

第9回では、じゃんけんゲームをScratchで成立させるための 設計の考え方(ゲーム全体の構造) を整理しました。

第10回では、その設計をより具体化するために、 設計図へとつなげるための正式な仕様書(要件定義) を作成します。

仕様書は、ゲーム制作の「必要な情報をすべて整理した文書」です。

この仕様書があることで、自分で設計図を作成したり、実際にプログラミングを進めたりする際に
迷わず作業できるようになります。

仕様書とは?

仕様書とは、 ゲームのルール・変数・イベント・処理の流れを明文化した設計文書です。

Scratchのようなビジュアル言語でも、仕様書を作ることで

  • 実装がスムーズになる
  • 修正がしやすくなる
  • 他の人にも共有しやすくなる

というメリットがあります。

じゃんけんゲームの仕様書

以下は、Scratchじゃんけんゲームを成立させるために必要な情報を整理した仕様書です。

① ゲームの目的

プレイヤーとCPUがじゃんけんを行い、勝敗を判定するゲーム。

② ゲームのルール

  • グーはチョキに勝つ
  • チョキはパーに勝つ
  • パーはグーに勝つ
  • あいこなら再挑戦
  • 勝敗がついたら結果を表示する

③ 必要な変数

  • 勝ちの回数
  • 挑戦回数
  • CPUの手
  • 初めから(ゲーム中フラグ)

④ 必要なリスト

  • CPUの手履歴(CPUの傾向)
    • CPUが出した手を記録する
    • 最新の手を先頭に追加する

⑤ 必要なイベント(メッセージ)

  • CPUの手(乱数:1=グー、2=チョキ、3=パー)
  • グー(CPUの手と比較し、かち/まけ/引き分けを判定)
  • チョキ(CPUの手と比較し、かち/まけ/引き分けを判定)
  • パー(CPUの手と比較し、かち/まけ/引き分けを判定)
  • あいこ(新しいCPUの手で再度じゃんけんする)
  • かち(勝ちの回数+1して、おわり)
  • まけ(おわり)
  • なにをだす(CPUの手を画面に表示)
  • はじめ(挑戦回数+1、初めからを1にする)
  • おわり(初めからを1にする、CPUの手履歴に今回のCPUの手を記録)
  • けして(表示を消す)

⑥ 必要な画面表示(スプライト)

ねこ(CPU)

あなた(プレイヤー) (グー=G、チョキ=T、パー=P のスプライト)

  • 「じゃんけんで勝負だ!!」
  • 「じゃん」
  • 「けん」
  • 「ぽん」
  • 「グー」
  • 「チョキ」
  • 「パー」
  • 「あいこで」
  • 「で」
  • 「しょ」
  • 「あなたのかち」
  • 「あなたのまけ」
  • 「もう一回挑戦しよう!!」

⑦ 処理の流れ

  1. 初期化(リセット)
  2. ゲーム開始(ねこクリック)と同時にCPUの手を決める(PROCESS)
  3. プレイヤーの手を選ぶ(INPUT)
  4. 勝敗判定(PROCESS)
  5. あいこなら LOOP
  6. 勝敗がついたら OUTPUT
  7. 終了処理(おわり)
  8. 再挑戦可能な状態に戻る

仕様書のポイント

  • 「設計」をより具体化するための文書である
  • 設計図を作成するために必要な材料(ルール・変数・イベント・処理)をすべて整理する
  • 自分で設計図を作成したり、実際にプログラミングを進めたりする際に迷わない
  • Scratch以外の言語でも応用できる考え方である

第10回のまとめ

  • 第10回は「じゃんけんゲーム全体の仕様書編」
  • 設計図につなげるための情報を正式な仕様書として整理した
  • ゲーム制作に必要なルール・変数・イベント・処理を明文化した
  • 仕様書があることで、自分で設計図を作成したり、プログラミングを進めたりする際に迷わない

次回予告(第11回〜:Scratch実装編)

Scratchじゃんけんゲーム講座は、

完成品 → 分解 → 設計 → 仕様化 → 自作

という流れで進めています。

これまでの10回で、このうち「完成品 → 分解 → 設計 → 仕様化」までの工程がすべて完了しました。

次回(第11回)からは、いよいよScratchを使って実際にじゃんけんゲームを一から作る「自作編(実装編)」に入ります。

第11回では、Scratchの開き方、基本操作、画面構成、スプライトの追加方法など、Scratchを使い始めるための基礎を丁寧に解説します。

その後の回では、第10回で作成した仕様書をもとに、第9回で説明したような「自分だけのじゃんけん設計図」を作成する過程をたどりながら、変数・リストの使い方、コマンドの意味、IFやFORなどの処理構造といった必要な要素を複数回に分けて学んでいきます。

設計図が完成したら、いよいよScratch上で動く「自分だけのじゃんけんゲーム」を実際に作っていきましょう。

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