【番外編】保護者の皆様へ:中学生のプログラミング教育、親として大切にしたい「失敗の教え方」 

MakeCode × micro:bit編

「中学生のお子様を持つ保護者の皆様、この講座をご覧いただきありがとうございます。今、日本の教育現場ではプログラミングが必修化されていますが、その目的は『全員をプログラマーにすること』ではありません。」

論理的思考力と問題解決力

「これを押せば、こう動く」という論理(ロジック)を組み立てる力は、将来どんな職業に就いても役立ちます。また、思った通りに動かない時に「どこが間違っているんだろう?」と原因を探すプロセスは、究極の問題解決トレーニングになります。

失敗を恐れない姿勢

プログラミングの世界では、失敗(バグ)は当たり前です。

「間違えても、すぐに直してやり直せばいい」という感覚は、自己肯定感を育むことにもつながります。ぜひ、お子様が試行錯誤している時は「どうしてそうなったと思う?」と優しく声をかけてあげてください。

【エンジニアの告白】プロでもやる!よくある失敗と対策

ここで、私がエンジニアとして仕事をしてきた中で、そしてmicro:bitで遊んでいる中でやってしまった「恥ずかしい失敗談」を皆さんに共有します。

プログラミングをしていると、思った通りに動かないことが必ずあります。でも大丈夫。それはあなたが下手だからではなく、「プログラミングの一部」だからです。

失敗1:文字が「横向き」に流れていく!?

micro:bitを縦に置いたままメッセージを表示させて、「あれ?文字が下から上に流れていくぞ?」と首をかしげたことがあります。

  • 原因: micro:bitの向きと、プログラム上の「上」がズレていた。
  • 対策: USBケーブルが刺さっている方が「上」だと覚えておきましょう。シミュレーターでも、向きを意識することが大切です。

失敗2:日本語を表示しようとして「無」になる

「こんにちは」と表示させたくて、文字列ブロックに一生懸命漢字を入力したのに、画面には何も映りませんでした。

  • 原因: 標準のmicro:bitは英語と数字しか理解できません。
  • 対策: 「HELLO」や「KONNICHIWA」とローマ字で書くようにしました。コンピューターの「言葉のルール」を守ることが、仲良くなるコツです。

失敗3:プログラムが消えた!

一生懸命作ったプログラム。ブラウザを閉じた拍子に「保存してなかった!」と真っ青になったことがあります。

  • 原因: ネットが切れたり、ブラウザのキャッシュが消えたりすると、作業中のコードが消えることがあります。
  • 対策: 画面右下にある「フロッピーディスク」のマーク(保存ボタン)をこまめに押して、パソコンの中に「.hex」というファイルをダウンロードする習慣をつけました。

失敗4:AボタンとBボタンを間違える

Aボタンを押したときに音を鳴らしたいのに、Bボタンのブロックの中に音の命令を入れてしまい、「Aを押しても鳴らない!」と15分くらい悩んだことがあります。

  • 原因: 単純な見間違いです(笑)。
  • 対策: 「ラバーダック・デバッグ」という手法を使います。
    アヒルのおもちゃ(何でもいいです)に向かって、自分の作ったプログラムを一つずつ口に出して説明するんです。「Aボタンが押されたとき、メロディーを……あ、ここBになってる!」と自分で気づくことができます。

知っていると自慢できる!「バグ」という言葉の意外な由来

プログラミングでプログラムがうまく動かないことを「バグ(Bug)」と言いますよね。直訳すると「虫」という意味ですが、なぜそう呼ぶか知っていますか?

これには、初期のコンピューター開発における有名なエピソードがあります。 1940年代、世界初の大型コンピューターの一つを動かしていたとき、原因不明のトラブルが起きました。エンジニアたちが中を詳しく調べたところ、なんと回路の中に「一匹の蛾(ガ)」が挟まっていて、ショートしていたのです。

その蛾を取り除いたことでトラブルが解決したため、それ以来、プログラムの不具合を探して直すことを「デバッグ(虫を取り除く)」、不具合そのものを「バグ」と呼ぶようになりました。つまり、皆さんが今直面しているエラーは、「歴史ある本物の虫探し」と同じ、誇り高きエンジニアの仕事なんです!

エジソンに学ぶ「トライ&エラー」の精神

「何度やってもエラーが出る……自分には才能がないのかな」なんて思わないでください。電球を発明した偉大なトーマス・エジソンは、こんな名言を残しています。

「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの『うまくいかない方法』を見つけただけだ。」

プログラミングも、これと全く同じです。 「AボタンとBボタンを間違えた」なら、それは「間違えると動かない」という確かな知識を手に入れたということです。「日本語が表示できなかった」なら、「コンピューターのルールの境界線」を一つ発見したということです。

何百回、何千回と「うまくいかない方法」を見つけた先には、あなただけの最高のプログラムが待っています。だから、どんどん間違えて、どんどん「デバッグ」を楽しんでください。

カリキュラム一覧(進捗マップ)

  • 【第0回】 【micro:bit講座 第0回】準備編:MakeCodeでプログラミングの第一歩を踏み出そう!
  • 【番外編】保護者の皆様へ:中学生のプログラミング教育、親として大切にしたい「失敗の教え方」
  • 【第1回】 【micro:bit講座 第1回】基本の操作:MakeCodeでmicro:bitを動かそう!(6/5 10時公開予定!)
  • 【第2回】 【micro:bit講座 第2回】計算の基本:計算ブロックで電卓を作ろう!(6/10 10時公開予定!)
  • 【第3回】 【micro:bit講座 第3回】変数の仕組み:変数という「魔法のバッグ」を使いこなそう!
  • 【第4回】 【micro:bit講座 第4回】変数の応用:計算でりんごの数を変えてみよう!
  • 【第5回】 【micro:bit講座 第5回】変数の実践:もっと便利に!変数で計算を自動化しよう
  • 【第6回】 【micro:bit講座 第6回】条件分岐の基本:IF文で「もし〜なら」をプログラミングしよう
  • 【第7回】 【micro:bit講座 第7回】配列の基本:リストを使ってたくさんのデータをまとめよう!
  • 【第8回】 【micro:bit講座 第8回】配列の応用:中身を入れ替えてリストを使いこなそう
  • 【第9回】 【micro:bit講座 第9回】ループ処理:繰り返しを使って効率よく動かそう!
  • 【第10回】 【micro:bit講座 第10回】アルゴリズム実践:配列×ループ×IFで問題を解決しよう!
  • 以降
タイトルとURLをコピーしました