💡 素人でもできる!ひらめき自作カーセキュリティ 第一回:エンジンがかかったら鳴るサイレンの作り方

【DIY】ホームセーフティ実践

はじめに:なぜ自作するの?

車の盗難の手口は年々巧妙になっています。特に最近増えているのが、車の制御系に外部から不正にアクセスし、あたかも正規のオーナーのようにドアを開け、エンジンをかけて盗んでいくという手口です。

「プロに頼むと高いし…」 「市販のものは種類がありすぎてわからない…」

そんな悩みを持つあなたへ。このブログでは、ひらめきと少しの部品で、愛車を守るためのシンプルな仕組みを、あなたの手で作り上げる方法を紹介します。


🔒 今回のターゲット:エンジン始動を検知する!

今回自作するのは、次のケースに対応する装置です。

盗難ケースの想定:

  1. 窃盗犯が車に乗り込み、不正な方法でエンジンを始動させる。
  2. エンジンが「かかった瞬間」を装置が検知する(これがトリガー)。
  3. 大音量のサイレンが鳴り響き、窃盗犯を驚かせ、周囲に異変を知らせる!

仕組みは超シンプル! 「エンジンON」という信号が来たら、「サイレンON」にする、これだけです。

🛠️ 必要な電子部品を揃えよう!

今回は、電子工作の経験がない方でもホームセンターやインターネットで簡単に手に入る部品を選びました。まるでレゴブロックを組み立てるように、楽しく作業しましょう!

部品名役割(車の部品に例えると)なぜ必要か
1. 12Vサイレン警報(大声)犯人を驚かせ、周囲に知らせる最重要部品。車載用(バイク用でも可)の12Vで動くものを準備。
2. 12Vリレースイッチ(手動スイッチの自動版)サイレンは大電流を使うので、直接スイッチでON/OFFできません。これを自動でON/OFFする電源の番人です。
3. スイッチ (ON-OFFスイッチ)主電源(装置のON/OFF)装置全体をオーナーがON/OFFするためのスイッチ。運転中はOFF、駐車時にONにします。目立たない場所に設置。
4. 配線コード血管各部品をつなぐ電線。車なので、少し太めのコード(0.75sq以上)を用意すると安心です。
5. ヒューズボックス保険万が一のショート(短絡)から車を守るための部品。必ず付けましょう
6. 接続端子手と手をつなぐ部品配線コードと部品をしっかりつなぐための金属のパーツ。


⚡ 装置の仕組みと回路図(絵で解説!)

専門用語の「回路図」と言うと難しく聞こえますが、大丈夫です。水の流れ(電気の流れ)とスイッチ(リレー)に例えて説明します。

1. 2つの独立した電気の流れ(回路)

今回の装置には、大きく分けて 2つの独立した電気の道(回路) があります。

A. 制御回路(トリガー回路)

  • 電気はちょろちょろ流れる(小電流)。
  • エンジンがかかったことを検知し、リレーを動かすための道。

B. サイレン回路(大音量回路)

  • 電気はドバドバ流れる(大電流)。
  • サイレンを鳴らすための道。
  • この道の途中にリレーが設置されています。

2. リレーの働き:電源の番人

ここで、最も重要な部品「リレー」の働きを見てみましょう。

リレーは、小さな電流で大きな電流を流すスイッチをON/OFFできる「自動スイッチ」です。

リレーの部品役割
コイル(制御回路)ここに電気が流れると、磁石の力で内部のスイッチが動く。
スイッチ(サイレン回路)コイルに電気が流れると、このスイッチが「ON」になる。

つまり、

  1. 制御回路にエンジンONの信号が来る。
  2. リレーのコイルが作動する。
  3. サイレン回路のスイッチが強制的に「ON」になる。
  4. サイレンが鳴る!

3. 部品を繋ぐ:配線図(未経験者向け)

下の絵が、全ての部品の繋がりを示した「配線図」です。車から電気を取り出す場所がポイントです!


🔌 車から電気を取り出す場所(トリガーの探し方)

「エンジンがかかった」ことを検知するためのトリガーとなる電気信号を、車内のどこかから見つけ出す必要があります。

💡 トリガーの候補:エンジンONで電気が流れる場所

盗難防止装置の場合、エンジン始動時にのみ電気が流れる場所を制御回路の電源として使います。

候補信号の状態配線の見つけ方(車の種類による)
フューエルポンプ(燃料ポンプ)エンジンONでのみ電気が流れる。車のヒューズボックスにある「FUEL PUMP」などのヒューズの裏側から分岐させるのが比較的安全で確実です。
アクセサリー(ACC)電源鍵をACC位置にした瞬間から電気が流れる。(ただし、ACCでエンジンがかかっていないと鳴らないため、ポンプ電源の方が確実オーディオやシガーソケットの配線から分岐。

⚠️ 重要:配線の分岐方法

配線を切断するのはリスクがあります。車のヒューズボックスにある 「ヒューズ」を活用して電気を分岐させるキット (エーモンなどから出ています)を使うと、安全で確実です。


⚙️ 組み立て手順:いざ、ハンダごて無しで!

今回はハンダごて(金属を溶かしてコードを繋ぐ道具)を使わず、接続端子圧着工具(端子をコードにカチッと固定する工具)だけで作業を進めます。

ステップ 1:サイレン回路(ドバドバ回路)の準備

  1. 安全第一!バッテリーのマイナス端子を外す
    • 作業を始める前に、車のバッテリーのマイナス(-)端子を外して、車体に電気が流れないようにしましょう。
  2. サイレンを設置
    • サイレンをエンジンルーム内など、目立たない場所かつ水に濡れにくい場所に固定します。
  3. サイレンの配線をリレーに接続
    • バッテリーから来るプラス(+)線を、ヒューズボックスを介してリレーの「スイッチ側」の片方の端子に繋ぎます。
    • リレーの「スイッチ側」のもう一方の端子から、サイレンのプラス(+)端子にコードを繋ぎます。
    • サイレンのマイナス(-)端子は、車体の金属部分(ボディアース)にしっかり繋げばOKです。

ステップ 2:制御回路(ちょろちょろ回路)の準備

  1. オーナー用スイッチの設置
    • 装置のON/OFFを切り替えるスイッチを、運転席の足元など、盗む人からは見えない秘密の場所に設置します。
  2. トリガー(エンジンON信号)をリレーに接続
    • 車のヒューズボックスから取り出したエンジンONで電気が流れる線(フューエルポンプなど)を、まずオーナー用スイッチに繋ぎます。
    • スイッチを通過したコードを、リレーの「コイル」側の端子の一つに繋ぎます。
  3. リレーの制御回路をアースに繋ぐ
    • リレーの「コイル」側のもう一方の端子を、車体の金属部分(ボディアース)に繋ぎます。

これで、配線は完了です!


✅ 動作テストと注意点

1. 動作テスト

  1. バッテリーのマイナス端子を元に戻します。
  2. オーナー用スイッチを「OFF」 にします。→ エンジンをかけてもサイレンが鳴らないことを確認。
  3. オーナー用スイッチを「ON」 にします(駐車時を想定)。
  4. キーを回してエンジンを始動させます。
    • サイレンが鳴り響けば大成功です!
  5. エンジンを止め、サイレンが止まることを確認します。

2. さらなる盗難防止のために

  • サイレンの設置場所: サイレンはエンジンルームの奥など、簡単には手が届かず、コードが切断されにくい場所に設置しましょう。
  • オーナー用スイッチの隠蔽: 装置のON/OFFスイッチが簡単に見つかると、盗む人に解除されてしまいます。ダッシュボードの裏カーペットの下など、オーナー以外に分からない場所に隠しましょう。

🌟 まとめと次回予告

今回は、 「エンジンがかかる=サイレンが鳴る」 という非常にシンプルな盗難防止装置を自作しました。リレーの仕組みさえ理解すれば、未経験者の方でも安全に自作できることがお分かりいただけたかと思います。

この装置の弱点は、エンジンがかかり続けないとサイレンが鳴り止んでしまうことです。窃盗犯にそのまま逃げられる可能性があります。

次回予告! 第二回は、この弱点を克服! 「サイレンが一度鳴ったら、スイッチを切るまで鳴り続ける」 ように改良する回路、自己保持回路の組み方を解説します。さらに、タイマー機能を組み込み、一定時間でサイレンが止まるようにする応用編にも挑戦しましょう!

お楽しみに!

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